お地蔵様とは何か?赤いよだれかけをしている理由やお供え物は?

我が家のご先祖様のお墓があるお寺に、十数年前に立派な
お地蔵様が6体建立されました。

お金持ちの檀家さんが寄付したのだそうです。
「ふーん、すごいなあ」と思いながら、その時は何も
感じませんでした。

舅も姑も亡くなり、いよいよ我々夫婦がお墓を守らなくては
と自覚して初めて、お地蔵様の存在が気になり始めました。

お地蔵様とは何なのか、なぜ赤いよだれかけをかけているのか、
お供え物は何が良いのかなど、何も知らないことに気づいた
ので調べてみました。




◆お地蔵様とは何か

赤いよだれかけや赤い帽子をつけて 田舎の道端やお寺に
立っているやさしい顔をした石像が、「お地蔵様」とか
「お地蔵さん」と親しみをこめて呼ばれています。

まずこのお名前はどこから来たのでしょう。

❖お地蔵様の名前の由来

お地蔵様の正式の名前は地蔵菩薩(じぞうぼさつ)です。

地蔵とは、仏教が生まれたインドの古典言語であるサンスクリット
語のクシティガルバを日本語に訳した言葉です。

クシティガルバのクシティは「大地」、ガルバは「 胎内」「子宮」
などの意味であることから、大地のようにすべての命を育む力を蔵
しているということで「地蔵」と名付けられたようです。

地蔵菩薩の菩薩とは、

仏教語では、菩薩は 仏の位の次にあり、悟りを求め、生命のある
ものすべて、特に、人間を救うために多くの修行を重ねる者のこと
です。


菩薩には、文殊(もんじゅ)菩薩・観音菩薩・弥勒(みろく)菩薩・勢至
(せいし)菩薩・普賢(ふげん)菩薩などがあり、お地蔵様も仏教の菩薩
の一つなのです。

❖お地蔵様の役目

お地蔵様(地蔵菩薩)の役目は、仏であるお釈迦様が亡くなっ後,
次の仏である弥勒(みろく)菩薩が出現するまでの56億7千万年の間,


現世にとどまって衆生(命ある者)を救い,また地獄に落ちた者を
救うこととされています。

弥勒とは古代インドではマイトレーヤと呼ばれ、慈悲から生まれた
者を意味しています。

弥勒菩薩は現在、仏教世界の中央にそびえる須弥山(しゅみせん)
の上空にある兜率天(とそつてん)という天界で修行をしている
そうです。

56億7千万年後とは、地球を含む太陽系が消滅する余命とほぼ一致
しているそうですが、どうしてそんなに時間がかかるのでしょうね。

宇宙にしてみれば大した時間ではないのでしょうか。

地蔵画像

日本では平安時代に浄土信仰が普及してくると、人々の極楽浄土へ
の憧れが高まり、それと同時に地獄を恐れるようになりました。

それにともない、釈迦も弥勒もいない無仏の時代に、現世にとどま
って人々を救ってくれている地蔵菩薩が脚光を浴びるようになり
現在のような僧の形の像が作られるようになりました。

右手に錫杖(しゃくじょう)という杖、左手に宝珠を持つあの像です。

◇六地蔵とは

お地蔵様の役目は、地獄に落ちた人を救うこととされていますが、
平安時代の中期以降、六道輪廻(ろくどうりんね)の思想が日本で
広まってくると、六つのお地蔵様も作られるようになりました。

六道輪廻とは、すべての人は六つの苦しみ迷いの世界を永遠に生まれ
変わり死に変わりし続けるという考えです。

六つの世界(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)
で苦しむ人々を救うために、六つのお地蔵様や六つの観音様も作ら
れるようになったのです。

六地蔵はお寺で良く見かけますね。

地蔵菩薩は六地蔵だけでなく、色々なものに姿を変え、多方面で
活躍する菩薩として信仰されるようになります。

◇子どもの守護地蔵

お地蔵様は、六地蔵の信仰から,道祖神,庚申信仰などと結合し,
観音と並んで民間に広く信仰されました。

また,弱い者を助けてくれることから、子どもの災厄を守護する
とも信じられ,賽(さい)の河原の説話も生まれました。

賽(さい)の河原とは、あの世に至る途中にあると信じられている河原
で、親に先立って死んだ子どもがこの河原で父母供養のために小石を
積んで塔を作ろうとするが、すぐに鬼がきてこわしてしまうのです。

親に先立って死ぬのは悪い事と信じられているので、鬼はそんな
子どもを地獄へ落とそうとするのですね。

そこへ地蔵菩薩が現れて子どもを救うという仏教説話です。

鎌倉〜江戸時代には種々の民間説話と結びついて、延命地蔵,
子安地蔵、勝軍地蔵などさまざまの名前の地蔵が生まれました。

◆お地蔵様がよだれかけをしている理由は

お地蔵様は、赤いよだれかけを身に着けていることが多いです。
赤い頭巾を付けていることもありますね。

これはお地蔵様が小さい子供を守る菩薩としても信仰されていたので、
自分の子どもが使っていたものをお地蔵様に着せて、子どもの匂いを
覚えて守ってもらう意味があったそうです。

赤いよだれかけや頭巾を奉納するようになったのは、赤色は、「清く
て正しい正直な色である」と考えられており、魔除けの意味が込め
られているからだそうです。

還暦でも、赤い頭巾とちゃんちゃんこを身に着けてお祝いをしますが、
これはお地蔵さまに赤いもの着けるのと同じく、干支が巡って赤子に
還るという意味から来ているとのこと。

お地蔵様がかわいいのは、赤いよだれかけのせいですね。

◆お地蔵様へのお供え物は何が良いの

我が家の菩提寺は、お地蔵様にしろ、お墓参りにしろ、お供えは
食べ物が禁止されています。

もし、食べ物を供えた場合は、その場で食べてしまって、置いて
いかないことになっています。

カラスの集団がやってきて、食べ物を食い散らかすからです。

お供えは自宅に持ち帰ると良くないという言い伝えもあるので
供えた食べ物は、その場で食べてしまわなければなりません。

昔は道ばたのお地蔵様にお供えしてある物は、困っている人が
持っていってよいとされていたそうです。

お地蔵様にお供えした時点で、それはお地蔵様の物になるから、
お地蔵様が困っている人を助けていたことになるのです。

なんとも心あたたまるお話ですね。

現在では、誰が供えたかわからないような食物を、持ち帰る人
はいないでしょうから、お線香と水とお花を供えるのが良いの
ではないかと思われます。

後日、枯れたお花は片付けに行きます。

◆お地蔵様(地蔵菩薩)が見られる有名なお寺

静岡県富士市
瑞林寺(ずいりんじ)地蔵菩薩坐像(重要文化財)

神奈川県鎌倉市
建長寺(けんちょうじ)地蔵菩薩坐像

奈良県生駒郡
法隆寺(ほうりゅうじ)大宝蔵殿 地蔵菩薩立像(国宝)

奈良県宇陀市
安産寺(あんざんじ)地蔵菩薩立像(重要文化財)

京都市
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)地蔵菩薩坐像(重要文化財)

◆まとめ

お地蔵様(お地蔵さん)は、正式名は地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
といい、仏教の菩薩の一つであること。

名前の由来は仏教の発祥地である古代インドのサンスクリット語
であるクシティガルバから来ていること。

お地蔵様の役目は、仏であるお釈迦様が亡くなっ後、次の仏である
弥勒(みろく)菩薩が出現するまでの56億7千万年の間、現世にとど
まって衆生(命ある者)を救い、また地獄に落ちた者を救うこと。

現在では、無病息災、五穀豊穣、交通安全、水子祈願、安産、
子授け、子供守護、先祖菩提、戦勝祈願などとなっています。

お地蔵様は小さい子供を守る菩薩として主に信仰されるように
なったので、自分の子どものよだれかけをかけて子どもの匂いを
覚えて守ってもらいたいという気持ちと、正義や魔除けを意味
する赤色が合体して使われるようになったようです。

それにしても、お地蔵様は地獄へまで行って衆生を救ってくれる
ありがたい菩薩なんですね。

今度お寺に行くときは、線香と水とお花を供えて、しっかり拝ん
でこようと思いました。

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